2005年03月05日

【感想】STAR EGG 星の玉子さま

STAR EGG 星の玉子さま
森博嗣(文藝春秋)

「すべてがFになる」で一躍ミステリィ界に名を知らしめた森博嗣。
そんな森博嗣が初めて文・絵ともに手がけた『絵本』です。
出版は「ダ・ヴィンチ」を読んで知りました(苦笑)
森博嗣が絵本を書いたらどうなるんだろう?
という、好奇心だけで購入を決定しました〜。



森博嗣作品は高校時代に友人に進められて以来読んでいます。
文庫版だけなら、M&Sシリーズは一応通して読みましたし、Vシリーズも継続中です。
元々、理科系の話が好きなので読んでいます。

数学的な思考を出来る人って、哲学的な人が多い気がします。
森博嗣の文章から受ける印象って「哲学的」なんです、初めからずっと。
疑問系で問いかけているわけじゃないのに、問いかけられているような気になるんです。

今回読んだのは『絵本』です。
森博嗣が初めて、自分で絵を描いて文章をつけた『絵本』です。
「多くの人に読んでもらいたい」という作者の意向の元、印税は0だとか……
改めて「作家・森博嗣の意思」を思い知った気分です。

「僕は文章より絵の方が長いから」とは本人いわく。
僕が見ると、ふんわりした印象の、かわいらしい絵です。
一番好きなのは、土星のような「星の輪」に玉子さんがぶら下がろうとしている絵。
小さい頃、いつか土星の輪にぶら下がってやると思ったのは、僕だけでしょうか(苦笑)

話の大筋は、「玉子さん」が愛犬「ジュペリ」(※「星の王子さま」著者のサン・テグジュペリに掛けていると思います)とともに、宇宙にあるいろんな星を巡っていくというものです。
お話全体を通してみると「大人向け」の絵本かもしれません。
ちょっと文章の中には、難解な部分が出てきます。
絵本として流し読みするには問題ありませんけどね(苦笑)


特に印象に残った星は3つ。
「木こりの星」「孤独な少女の星」「とても大きな星」

「木こりの星」は2種類あって、「熱心に仕事をしてとうとう星に生えている木が一本になってしまった星」「切る必要がなくなって木を切ることをやめてしまった星」があります。
前者の星では木こりは「この一本を切れば仕事がなくなる」と考え、なかなか踏み出せずにいます。
一方、後者の星の木こりは「働かなければならない」と思いながらも、今の生活を続けています。
どっちが悲しいんだろう、と問い始めるとキリがありません。
答えは自分で出してください。
僕は答えを出していますが、文章にするのが難しいのでやめておきます。

「孤独な少女の星」には、自分が「孤独」だとわかっている少女がいます。
ここで、森博嗣は「孤独とはなんだろう」と問いかけています。
これも難しいことですよね。

そして、絵本の最後で玉子さんが訪れるのが「とても大きな星」です。
その青い星にはたくさんの人がいて、たくさんの孤独と、もっとたくさんの夢があるようです。

もし、自分が寂しいなと感じたら、そのときに手にとって欲しい作品です。
(ちなみに青葉和は「星の王子さま」を読んだことがありません……スイマセン/汗)
posted by 青葉和 at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。