2004年11月01日

【感想】潮騒

『潮騒』三島由紀夫著(新潮文庫)

三島由紀夫ですよ。
昭和文学ですよ。

すべて読み終わったあと、解説を読んだら、この『潮騒』は三島由紀夫作品の中でもかなり特殊な位置づけだったようです。
これから読み始めた僕っていったい(^^;
全く、縁はないと思っていたのですが、
「ついうっかり」とは、まさにこのこと(苦笑)

小説ですので、以下ネタバレもあります。
有名な小説なので、読んだ人いるかもしれません。
あくまで僕の感想です、それをわかった上で続きをどうぞ。

この作品全体を通して、なにがすごいと思ったって『描写力』だと思いました。
僕には真似できません。あたりまえですが。
一番すごいと思ったのは「肉体」の表現記述。
生身の肉体が向かい合う場面なんて、もう最高。
筋肉フェチの僕にはタマランでしたですよ、グフフ(マテ)

主人公・久保新治は、勉強はからっきしだけど、腕っ節と度胸と故郷を愛する心は誰にも負けない純粋な少年漁師。
そんな新治が、島一番の金持ちの娘・初江に恋をする話。
途中、ドキドキするような場面もいくつかありましたが、ずっと通して少年も少女も純粋でした。
今流行の「純愛小説」とはちょっと路線が違いますが、「今にありえない、ひとつの純愛の形」って、こういうもんなのかなぁと思いました。

とにかく、この作品は舞台が小島、主人公が漁師、ヒロインが海女という組み合わせだけあって、『海』の出てこない章はありませんでした。
しかし、この『海』が主人公の心の移り変わりを見事に表現しています。
特に船の命綱を繋ぎ止めるために、新治が台風の海の中を泳ぎきる場面は、彼がまさに苦悩を乗り切ることを暗示していたように思います。
更に、岸に泳ぎ着いたとき波によって陸へ押し上げられたのは、その後たくさんの人たちの後押しを受け、初江と結ばれることを示したのではないかなと思います。

とりあえず、健全な肉体・健全な魂、そしてステキな笑顔。
タマランよ、新治(笑)

若者たちが大人たちとすれ違いを起こす場面にはやきもきしました。
おばちゃんたちが「島の影の支配者」として暗躍する場面は爆笑しました。
そして、新治と初江の純粋さと純潔さに泣けてきました……

いまどきいないよ、こんなキレイなバカップル。
だからこそ「キレイ」だと思うのかもしれません。


ここまできたら『仮面の告白』やら『金閣寺』やら読むべきですかね……?
posted by 青葉和 at 22:13| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書感想文? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
三島由紀夫は大学生の頃にけっこう好きで、読みました。
でも『潮騒』読んだっけな……?と思って本棚を見るも、文庫本がありすぎて発見できず(汗)。

確かに描写はすごいですよね。自分の表現力のなさに嫌気が差しますが、すごいとしか言いようが……。

『金閣寺』などの有名所もいいですが、私は『鍵のかかる部屋』や『真夏の死』などの短編集もおすすめします。短編はまた違った鋭さの表現がある気がします。
一番好きなのは『禁色』なのですが……これは長いし、所謂ゲイの話なので、好みは別れます。責任は持ちません(笑)。
でもこれがなかなか、切なかったりするんですよ。もちろん女性も出て来ますし。
Posted by ゆかり at 2004年11月02日 00:26
多すぎて発見できないなんて、すごすぎです。
さすがゆかりさん(^^;

初めて三島作品を読んだわけですが、こう……表現がうまいなと思いました。
この感想もまともに書けないし(汗)

『鍵のかかる部屋』、『真夏の死』ですね。
余力があればチェックしてみます(またレポートの季節が……)
『禁色』は更に余力が生まれたらチェックしてみます。僕は同性愛に偏見は持たない方だと自負しております。
ええ、責任は自分で取ります(苦笑)

コメントありがとうございました。
Posted by 青葉和 at 2004年11月02日 23:49
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